シェアハウス・さっちゃんち(住宅型ホスピス)の稼働を始めて3カ月ほど経ちます。主に宿泊の利用が中心で昼間は隣接のナーシングホーム猿橋で過ごすして頂き、両施設で一体的に運営することで利用者さんの個々のペースを尊重するケアが可能となりました。例えば、大勢の人が集まる場所が苦手な利用者さんの場合はシェアハウス・さっちゃんちで過ごしていただくことで、その人に合った環境を提供することができます。(下の写真:宿泊の利用者さんをナーシングホーム猿橋からさっちゃんちへ移動している様子)
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減速っう
相変わらず暑い日が続きますが、9月に入り秋の気配がチラホラ感じられますね。
施設内は空調が効いており快適です。国の推奨する28℃に室温を設定しておりますが、湿度が高めの時は蒸暑く感じます。その時には湿度計を確認しながら室温を調整しております。
中には温度設定を23℃で冷え冷えするくらいガンガンエアコンを回しているスタッフがおり注意したことがありました。確かに動いているスタッフにとっては28℃は快適ではないのかも知れません。ディスクワークと違い動くことの多いこの仕事は夏のこの時期、汗だくです。なので23℃にしてしまうのでしょう。これでは、利用者さんにとっては冷え過ぎで体調を崩しかねません。我々スタッフはあくまで黒子役です、主人公は利用者さんなのですからね。
それから忘れてはならない大切な視点に環境への配慮です。地球温暖化は人類にとって脅威です。便利、快適……人間にとって都合のいい欲求は環境へのダメージがはかり知れませんね。巷では猫も杓子も「SDGs」ですが、行動が伴っていませんね。紋所のように胸にSDGsのバッジを着けて経済成長、GDPなど持論を展開する先生方もおられますが、いかがなものでしょうか。経済停滞、減速、リセッションなど後退を意味する言葉はお偉方にとっては禁忌なのでしょうか。ただ救われるのは、最近の書籍に「減速」を意味するワードが前に出てきたことです。このままでは地球が人類が危ないと危機感を持ち発信する識者が多くなってきた左証です。資本至上主義の限界も多くの識者が異口同音に語っています。このコロナ禍がきっかけで異常な貧富の格差問題も露呈しましたね。このままでは格差が広がるばかりで、ほんの一部の超富裕層が富を独占し、飢える者はますます飢える。これが資本至上主義の現実です。政治家にとっても資本家にとっても都合のいい現実なのです。だから現状はなかなか変えられないのです。この危機を救うのは資本至上主義にどっぷり浸かり麻痺してしまった政治家や資本家ではなく、その対極にいる心ある人々ではないでしょうか。
ガンガン空調の効いた部屋でのんびりしている間、地球は痛んでいることをお忘れなく。
終戦の日 あれから78年
今日は終戦の日。亡き父が生前、この日に黙祷のサイレンを合図に仏壇に向かって手を合わせて涙ぐんでいる姿を、小学生の自分は不思議な気持ちで眺めていたことを、夏休みのお盆の風景と共に、今も遠い記憶に残っています。その父が小学生の私によく言っていました「戦争は絶対ダメだ、あんなものは何の役にもたたない、悲しいだけだ」「生きて帰って来たのは俺だけだ、後はみんな亡くなった、だから戦死した仲間の分まで長生することが戦友への供養だ」(スマトラ島で終戦を迎えた)。
78年経った今も人間は戦争を止めようとしません。それどころか核兵器さえ持ち出そうとしています。「歴史は繰り返す」と言いますが、繰り返しているのは「人間」です。悲しい想いをどんなに積み重ねても人間は殺し合いを止めようとしません。バカげたことを懲りずに繰り返すのが人間なのでしょうか。人間はもっともっと賢いと信じたいですね。
戦争の凄まじさを語ってくれる利用者さんがおります。身をもって戦争の悲惨さを体験し、廃墟と化した祖国を立て直し、今の豊かな日本を築いた人たちです。平和ボケしている現在、豊かな日本が今あるのは先人の文字通り、血のにじむ努力があったからこそです。私たちはその事実を一時も忘れてはならない。そして支援にあたるときも、死を覚悟した人たちへの、その背景に思いを馳せる。それが戦争を知らない世代のせめてもの先人へのリスペクトだと思います。

立秋
日中は相変わらず猛烈に暑いのですが、吹く風に秋を感じますね。気が付けば立秋。先日まで黄色い口ばしだった玄関先のツバメの雛たちも無事巣立ったようです。空っぽのツバメの巣、あの子たちは何処へ行っちゃたかな。少し寂しい気がします。
季節は確実にめぐりめぐって変化しますが、皆さんもお気づきと思います、気候が異常ですよね。地球の悲鳴が聞こえてきそうです。それでも世間はコロナの呪縛が解けて賑わいが戻ってきましたが、気になるのは物価の高騰ですね。我々庶民の懐は大打撃です。それもライフラインの電気ガス水道の値上がりは困ったものですね。「空気と水はただ」なんて言われてましたが、水道料金の値上がり幅には驚きです。
地球の悲鳴を聞きながらも人間は何処へ向かおうとしているのか、政治や経済がこの地球の悲鳴に耳も貸さず、相変わらず「経済成長」を目指すのか。ほんの一部の大富豪が富めるだけの経済成長は狂っていませんかね。
この話、介護とは関係なさそうに感じるかも知れませんが、そんなことはありません。現状、安心して老後を迎えられる世の中にはなっていませんからね。この歪んだ経済成長を生んだ資本至上主義から脱却しない限り格差は広がるばかりじゃないでしょうか、どうですか。富める者は富、貧しいものは更に貧しくなる。安心できる老後を迎えるためには、政治も経済も我々の故郷である地球の叫び声に耳を傾けてしっかり聞いて、どうするか私利私欲を離れて深く見つめ直すことが欠かせないと思いますが。
お偉方が経済成長だのGNPだのをエラそうにのたまう度にイラっとするのは私だけでしょうか。成長には消費が必要で、それって地球の資源を消耗することですよね?先生方??
大暑💦
昨日は二十四節季の大暑でしたね。暦通りの焼けつくような太陽がギラギラと照り付きめまいがしそうです。
うだるような暑さの中、施設の玄関脇のツバメの巣に雛が誕生しました。巣の端っこから黄色い可愛いくちばしが、パクパク、親鳥からの餌をねだる様子がよく観察されます。
夏が過ぎればまたどこかへ飛んでいくのでしょう。束の間の邂逅に懸命に生きる姿、まさに命懸けの自然の摂理に、わが身の不甲斐なさを禁じ得ません。自分にはツバメの涙ほどの懸命さはあるのだろうか。
海の日
連日の猛暑で弊施設もエアコンがフル稼働です。散歩しようにも高齢者には危険な暑さで、空調の効いた施設内でゆったりと涼んでおられます。それにしても、どこまで地球は暑くなるのでしょう、このところ毎年、最高気温が更新されてますね。40℃近くの気温は昔訪ねたインドを彷彿させます。インド旅行の土産話にインドの気温40℃の世界を自慢げに話したものでしたが、今の日本で当時のインド並みの否、それ以上かもしれません。この異常な気候は地球の異変を誰もが身をもって感じますね。
ただ、人間の叡智は必ず進むべき道にたどり着くと信じております。資本至上主義が少しその潮目を変えてきたことでその変化の兆しが見えてきた気がしませんか?
「海の日」…… 子どものころ海辺で水平線の彼方に浮かぶ船を見てどこの国から来た船なのか小さい船がだんだん大きくなる様子をぼーっと眺めていた遠い夏の日を思い出します。

第9波は超ド級か?
今年も後半戦に入りました。コロナの呪縛が解かれて、観光地は以前の賑わいを取り戻している様子で喜ばしいことだと思います。ただ、水を差すようで恐縮ですが、コロナが終わっているのではなく、今も気味の悪い動きを見せておりますね。コロナ感染者の増加で沖縄では医療が逼迫しているとも聞いております。弊施設でも去年の夏は大嵐が吹き抜けました。今年も例外ではありません、確実に9波はやって来ます。それも多分、「超ド級」、マスクを外している人が増えて「3密」状態に危機感が低下しているからです。
大波が来ない事を祈りつつ、今宵七夕の夜空を仰ぎます。
人手不足 どうする家康?
介護業界だけが人手不足ではないようです。少子高齢化の影響が至る所に出てきました。さて、どうやって手を打つか、賃金を上げれば解決されるような状況でもない。労働人口の絶対数が減少傾向なのだから、根本的な解決にはならない。ではどうする(家康w)?
「生産性を上げる」これに尽きるのではないでしょうか。ただ、介護の仕事は生産性向上=機械化することが難しいと言われております。確かにそうです。おむつ替えが機械化されたら半分の人員は削減されるかも知れません。でも、まだそんな技術はありませんね、残念ながら。私どもが現在取り組んでいる生産性向上の1つに見守りのテクノロジーの導入があります。機械にできることは機械にさせて、人にしかできないところを人がする。昨年の12月に竣工した「メットライフ財団x日本財団支援・さっちゃんち」は当初から人手に頼らず、そのためにはいかに最新のテクノロジーを導入するか、さっちゃんちをその舞台にしようと考えてきました。かなり高額な出費になりますが、将来を見据えたロボテックの先行投資と思っています。更に、介護の制度設計も根本的に見直すタイミングでもありますね。お堅い国がどう柔軟に判断できるのか、そこに掛かっています。
さて、今後どんなロボットが登場し、人手不足をどうするか?お楽しみに。
漂流介護
あっちこっちの介護サービスをとっかえひっかえ、どこに行っても満足することはなく、短期間でお止めになって流転していくご利用者さん家族をよくお見掛けします。利用者のご本人はいたって穏やかに過ごしていてもご家族の都合で介護サービスの漂流の旅が続いているようです。最近では、介護サービスを利用することに後ろめたさを感じている方はあまり見ませんね。それだけ、介護サービスを積極的に利用しようとする意識が根付いてきているのでしょう。ただ、介護にお金を掛けることに価値を置かない様子も多く見られます。お金の使い道はそこではなくて、介護以外のモノやコトに消費し、介護にお金は掛けたくない、そんな意識がまだまだ感じられます。介護保険が制度化されて20年余り、超高齢化社会の到来で、可処分所得の重要な使い道の1つに介護サービスを挙げ意識して家計を切り盛りしていく時代感覚が欠かせない世の中になってきていませんかね。家計の中にしっかりと介護サービスを位置付け他の娯楽サービス以上に十分な予算を立てて漂流しない介護で安心な老後を望みたいですね。

スタッフも利用者も超高齢化
そうです、ご利用者だけではありません、介護現場のスタッフも高齢化の波がドッと押し寄せています。そこで考え方を改めました。その波に乗って元気な高齢者にターゲットを絞ります。年齢無制限、元気であれば何歳でも即採用!
労働人口減少の中で、このくらいの覚悟を決めて人材を考えないと組織は成り立たなくなりそうです。スタッフの高齢化に伴い生産性の低下は免れません。そこで今取り組んでいるのが介護のロボット化です。今年度から3年間で最新の介護ロボットを導入していく計画です。その第一弾が間もなく現場に導入されます。高齢のスタッフでも安心してケアに向き合える環境を整備して、支える側の超高齢化に立ち向かいます。
